日本の経済を知らなすぎるので、少し学んだ話

日本の借金が1,200兆円以上あるといわれて、日本は破綻するという人もいれば、それは問題ではなくまだ国債を発行できるという人もいます。
そもそも国債ってなんなのと思い、本を読むことにしました。

今回読んだ本はこちら。


お金のむこうに人がいる――元ゴールドマン・サックス金利トレーダーが書いた 予備知識のいらない経済新入門

経済についてとてもわかりやすく書かれた本です。
ここではこの本に書かれている一部分、私がこの本を読むことでようやく理解できた国債のことについて書いてみようと思います。

私たちが銀行に預けた預金。
それは銀行の金庫にずっと保管しているわけではなく、銀行が企業や個人や国に貸します。
国に貸すというのは、銀行が国債を買うということ。=国債が発行される。
国債と引き換えにお金を手にした国は、そのお金を国民や企業支援や公共事業、公務員の給与などに使います。
そのお金はコロナのときの給付金のような形で国民の口座に振り込まれたり、国から支援を受けた企業で働く人の給料になったり、公共事業に使えば事業にかかわる多くの人の給料となり、個人や企業の預金となります。
給料として口座に振り込まれるということは、国債を発行した分だけ、国民や企業の預金が増えているというわけなんです。
結局、日本の中でお金が循環しているだけで、減っても増えてもいないのです。


私知りませんでした。
国債を発行しても大丈夫という理由はそういうことだったのかー。

ここで大事なことがあって、ひとつめはそのお金が日本の中で国民が使っているかということ。
国債を発行して得たお金が、国民の給料となれば、お金が国内を移動している状態なので、国全体でみたら困ることはありません。
でもそのお金で海外の人に働いてもらったり、海外のサービスを受けたりしたとき(輸入)、日本円は海外に流れます。
そのお金はいつか海外の人が日本のサービスや労働力を必要としたときに相手の都合で使われます。
逆に、海外の仕事を日本がしたり海外にサービスを提供したりすれば、日本が保有する外国のお金が増えて、それは海外の人に働いてもらいたいときに使うことができます。
このバランスは重要そうですね。

ふたつめは、公共事業に使ったとき。
作っているときはそのお金が国民や企業の収入になるけれど、10年後50年後の私たちが喜ぶことに使わなければいけない。
道路や線路その他のインフラなど、数十年前の政府や企業や国民が働いて作り、いま私たちはその恩恵を十分に受けています。
だから、これから作るものやサービスやシステムも、未来の私たちが過去の私たちにありがとうと言えるようなものに使うべきなのだそうです。たしかに。

それから、国債は際限なく発行し続けられるものではないそうです。
国債をバンバン発行してお金が出回りすぎるとお金の価値がさがってしまいます。
それでは経済がうまく回らなくなりそうですね。


本書は経済をお金の視点からじゃなく、人の視点からみてみようと書かれています。
すると経済がシンプルにわかりやすく見えてくる。
たしかに読んですっきりしました。
年金問題についてなど、まだまだたくさんの情報が丁寧に解説されています。
ご興味あればぜひ読んでみてください。


お金のむこうに人がいる――元ゴールドマン・サックス金利トレーダーが書いた 予備知識のいらない経済新入門