スタンフォード式最高の睡眠

オーディブルの紹介をしたので
今日は私が最近読んだオーディブルの書籍をご紹介します。


スタンフォード式 最高の睡眠

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睡眠研究の総本山スタンフォード大学で、30年近く睡眠を研究している西野精治先生が、
あなたの睡眠を、あなた史上最高にする方法を書かれた本です。
忙しい私たちが毎日を明るく健康的に過ごすための睡眠方法をみてみましょう。

一番大切なのは最初の90分

 睡眠不足は睡眠負債

睡眠不足のことを研究者の間では睡眠負債というそうです。

睡眠時間が足りないことによって、簡単には解決しない深刻なマイナス要因が積み重なっていくという意味を含んでいる。
気付かないうちにたまる眠りの借金、それが睡眠負債なのだ。
スタンフォード式最高の睡眠 西野精治著より

この睡眠負債はマイクロスリープ(瞬間的居眠り)を引き起こします。
ただの寝不足と片付けられがちですが、もしこのマイクロスリープが
運転中に起きたら?
ひとりで海釣りをしているときに起きたら?
取引先と重要な商談中に起きたら?

その重大さを著者は私たちに気付かせようとしています。

週末の寝だめは意味がない

それなら睡眠負債を寝だめして返済すればいいと思うかもしれませんが、著者が行ったある実験結果によると、40分の睡眠負債を返すには、3週間毎日14時間ベッドにいなければならなかったそうです。
週末の寝だめごときで、睡眠負債は解決しないと著者は言っています。

普段から充分な睡眠時間を確保するのが難しいのに、寝だめすら意味がないと言われたらなすすべがないわけですが、そこで著者が薦めているのが「最初の90分を深く眠る」ということ。
寝始めの最初の90分を深く眠ることで時間が取れなくても質の良い睡眠を得られるといいます。

「最初の90分」をしっかり深く眠るには

人は活動中は深部体温が皮膚温度より2℃ほど高いのですが、眠るときに深部体温を下げます。
そのために手足の皮膚温度を上げて熱を放散します。
すると深部体温と皮膚温度の差が縮みます。
睡眠時には深部体温をさげて皮膚温度との差を少なくすることが重要なのだそうです。
脳は日中は興奮緊張している状態です。
脳が興奮していると体温も下がりにくくなり、スムーズな入眠の妨げになるので、脳をリラックスさせる必要があります。

深く眠るためのポイントをみていきましょう。

point1☆就寝90分前の入浴

40℃のお湯に15分入ると深部体温がおよそ0.5℃上がります。
深部体温は一時的に上がると上がった分だけ大きく下がろうとします。
0.5℃上がった深部体温がもとに戻るまでの所要時間が90分。
90分前に入浴することで、深部体温を下げ皮膚体温との差を縮めスムーズに入眠することができます。

入浴後は冬でも熱放散しているから、お風呂を出てすぐに着こんでしまうと熱放散がうまくできなくて深部体温が下がりにくくなるんだって。

point2☆時間がなければ足湯(もしくはシャワー)

皮膚温度を下げるときに重要なのは手足なので、足湯で足の血行を良くして熱を放散させることで、入浴と同じような効果を得られます。
シャワーは入浴のように深部体温が0.5℃も上がらないので就寝の直前でもいいそうです。

足が冷たくて眠れないから靴下をはいて寝る人もいるけれど、はいたまま寝ると足からの熱放散がうまくできなくなるから、足の冷えが少しおさまったら脱ぐのがいいかもしれないね。

point3☆室温も大事

日本は「寒い部屋にコタツだけ」「分厚い布団でエアコンなし」のように、局所だけを温める文化ですが、室温や湿度を整えることも快眠を促すうえで重要だとされています。

point4☆脳をリラックスさせよう

脳をリラックスさせるには睡眠のルーティーンを決めるのが良いそうです。
寝る場所も時間も寝間着もいつもどおり。
無駄なことを考えず、考えないままスイッチオフで眠る。
ちなみにスマホやPCのブルーライトの睡眠への影響がよく言われますが、睡眠に影響を与えるのは、操作で脳を刺激しまうことにあるとおっしゃっています。

起きている時間をどう過ごすか

睡眠と覚醒はセットになっている。
朝起きてから眠るまでの行動習慣が
最高の睡眠をつくり出し、
最高の睡眠が最高のパフォーマンスをつくり出すのだ。
スタンフォード式最高の睡眠 西野精治著より

スムーズに起床する方法

朝の目覚めを良くしたい。
それにはアラームを2つの時間でセットするのがいいそうです。
7時に起きたいなら6:40と7:00。
朝方はノンレム睡眠とレム睡眠が20分前後で切り替わるからだそう。
レム睡眠時は覚醒しやすいので、その時間を狙ってスムーズに起床しましょう。

太陽の光は覚醒のスイッチ

メラトニンは眠る時に重要な体内で分泌されるものですが、起床時には分泌を抑えなければいけません。
このメラトニンの分泌抑制に効果があるのが太陽の光です。
起きたらまず日の光にあたることも気持ちよく目覚めるのに効果があります。

咀嚼力が睡眠行動パターンに影響する

通常のペレットを与えたマウスと、ミキサーで粉末にしたペレットを与えたマウスの睡眠・行動パターンを調べたら、固形食を噛んで食べるマウスは、睡眠や行動パターンに夜昼のメリハリがあり、粉のえさを与えたマウスは夜昼のメリハリがなくなったというのです。
そして活動期の睡眠量が通常のマウスより多くなり、覚醒すべき時間に活発に活動しなくなったそうです。
噛むことが睡眠・行動パターンに影響することがわかりました。

日中の眠気の対処法

この本の通りに質の良い睡眠をとって、日中は覚醒スイッチを入れて過ごす。
それが理想ですが、今すぐにでも解決したいのは昼過ぎの眠気だったりします。
これについても書かれていました。

①ガムを噛む
噛むことで脳が活性化される性質を利用しましょう。
ミントやカフェイン入りのガムをよく噛めば、覚醒成分の刺激と噛む刺激を与えられます。
②ホットコーヒーを飲む
目を覚ましたければアイスコーヒーの方がいいと思う方がいるかもしれませんが、著者は温かい飲み物をすすめています。
温かいものを飲めば多少は体温が上がり、覚醒度が上がるからです。
活動時の深部体温は高い方が覚醒するからですね。

睡眠こそがすべての基礎

著者は最初の90分を深く眠るメリットを他にも上げています。

☆寝ているだけで自律神経が整う
深い眠りに入るとき交感神経の活動が弱まり、副交感神経優位になります。
すると脳も体もリラックスし自律神経が整います。

☆グロースホルモンが分泌する
よく子供の成長にかかわるとされるグロースホルモンは、成人になっても分泌され、細胞の成長や新陳代謝促進、皮膚の柔軟性アップやアンチエイジングの役割も果たすとされていますが、このグロースホルモンは最初のノンレム睡眠時に際立って多く分泌されるそうです。
最初の90分を深く眠ればグロースホルモンの80%近くを確保できるのだとか。

☆脳のコンディションが良くなる

うつ病や統合失調症のの患者は最初の90分が乱れている事実から、「黄金の90分には、脳のコンディションを整える働きがある」「脳のコンディションが黄金の90分に反映される」という仮説は成り立つだろう。  スタンフォード式最高の睡眠 西野精治著より

☆あらゆる臓器のメンテナンスができる

どんな化学的な治療でもできない脳や臓器のメンテナンスが、
睡眠中だけできる。
科学者や医者が何人集まってもできない体内リズムのバランス調節が、
眠るだけで整う。
スタンフォード式最高の睡眠 西野精治著より

出来てしまったけがや病気が睡眠の力だけで治ることはないでしょうが、脳も体も健康でいるために良質な睡眠を心がけることは重要といえそうです。

感想

以上は私が読んでみて心に残ったところを書き出してみました。
歳を重ねるにつれて眠りが浅くなったなと思っていましたが、この本で睡眠と覚醒がセットになっていると書かれているのを見た時に、(あ、たしかに。)と妙に納得しました。眠りにばかりフォーカスするのでなく、朝起きた時の行動から見直すことが大事なのねと。そして、夜中に目が覚めてしまっても、これまでは(ぐっすり眠れていないんだ~)と落ち込んでいましたが、最初の90分は寝ているから大丈夫と思うことにしたら少し気が楽になりました。
本にはまだまだ多くの情報が載っています。
睡眠にお悩みの方に読んでいただきたい一冊でした。

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スタンフォード式 最高の睡眠

漫画版も出ています。


マンガでぐっすり! スタンフォード式 最高の睡眠